養護学校の友だちも大事。だけど地域の友だちもほしい。
4年前、絵本の中でてつお君のモデルになったA君と出会いました。納得できないまま地域の小学校から養護学校に入学してきたA君は、「みんなと同じ中学校に行く」が口癖で入学式にも参加できませんでした。しかし、本人に寄り添い、かかわり合う中で養護学校にいだいていたマイナスイメージは少しずつ正されていきました。 一方、小学校時代の同級生や近所の子ども同士の関係がうまく作れずに、日常的な出来事からトラブルへ。解決に向けて話し合いの場を設定したところ、一人の小学生が「A君は何でバイバイ言いながら近づいてこらすとやか?」と素朴な疑問を投げかけてきました。A君は「養護学校の友だちも大事。だけど地域の友だちもほしい。」と言いました。 同じ場面・状況を地域の学校に通う『きんじ君』と養護学校に通う『てつお君』のそれぞれの立場から捉えました。人と人とのつながりを考えることができる絵本として、多くの方々に手にしていただき、活用していただくことを期待しています。 (『あとがき』より) |
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